会頭のご挨拶


基本方針

因島商工会議所
会頭 村上祐司

 

 本年度は、オミクロン株によるコロナ感染拡大、長引くウクライナ侵攻に端を発した原材料やエネルギー価格の高騰、上海ロックダウン、欧米のインフレ加速と景気悪化などにより、厳しい世界情勢となりました。

 国内では、コロナ感染拡大が収束した夏場以降はウイズコロナに移行し、政府の支援策もあり個人消費は持ち直しましたが、年末にかけては海外景気の悪化を受けて輸出が減少、中国のゼロコロナ政策も混乱要因になりました。また、3月には米欧で銀行が破綻し、リーマンショックを思い出すような出来事がありました。公的な支援や救済により、収束してきておりますが、他行への波及など予断を許さない状況です。

 因島地域では、コロナの影響緩和が夏以降になったため、イベントや祭りの再開までには至らず、次年度以降に持ち越されましたが、人の往来は前年度よりもかなり多くなって来て、ようやく正常に仕事に取り組めるようになって参りました。

 3月の調査では、造船関連は受注量の増加に伴い好転しましたが、慢性的な人手不足がマイナス材料となっています。建設関連では、住宅市場の低迷と民間・公共工事の減少や工事の延期も重なり受注減も見られました。

 ホテル、飲食業関係ではコロナに左右されながらも政府の支援もあり堅調を維持しました。

 しかしながら、支払い猶予がされておりましたコロナ特別融資の返済が始まり、回復途上の中小企業は資金繰りが厳しく、全国的には4万件以上の廃業・倒産が続いております。当分の間はこういった事態が続いていくと思われますので、当所としても行政と連携しながら最大限の支援をして行きたいと思います。

 トピックとしては、6月に因の島運輸がアサヒタクシーに会社を譲渡されましたが、路線はそのまま引き継がれましたので安堵致しました。食品業界では大型店との競合激化により、中心商店街に立地する生協が島外資本に売却、また11月には郊外に立地する地場中堅食品スーパーが倒産閉店となりました。地元資本の撤退・倒産は残念ですが、新会社の今後の事業展開への期待と空き店舗の活用を支援して行きたいと思います。

 最近では体験型の修学旅行が増えてきていますが、6月には東京から名門進学校の開成高校の生徒さん約100名が村上海賊の小早体験で因島を訪れ大変な盛り上がりでした。今後の修学旅行誘致に自信を得た次第ですが、受け入れ体制等の課題も浮かび上がりました。

 10月には、サイクリングしまなみ2022が開催されました。初めて因島大橋の車道を通り、土生町を経由して上島町島嶼部に繋がるコースがルート化され、その魅力が広く認知され、昨年度造成しましたグラベルの聖地との相乗効果で、因島南部へのサイクリストの流れが増えて来ました。

 海の玄関口の土生港湾ビルが、設備の老朽化により、みなとオアシスとしての機能を果たしていないため、長年懸案のトイレ等の改善を要望して参りましたが、ようやく要望が実り、次年度から改修工事に入る予定です。隣接の商店街との連携により活性化を目指します。

 日本遺産村上海賊関連では、広島県観光連盟からの補助金を得て「海賊武者体験」や「クルージングによる島一周城跡巡り」の観光ツアーを造成し、3月から募集を開始しました。今後とも商品の磨き上げを継続して行い誘客に努力致します。 その他にも国の補助金を活用して持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓や業務効率化の取り組みを支援するなど、地域になくてはならない商工会議所を目指し、以下令和4年度事業を実施しました。