新開発の40型バルカー受注 内海造船、船型刷新し5隻以上成約【海事プレス-9/5】

■「海事プレスONLINE」2023年9月5日(火)に、内海造船についての記事が掲載されています。

 情報筋によると、内海造船は新たに開発した4万重量トン型バルカーを国内外の船主から受注したようだ。既に5隻以上の規模の受注を決めたもよう。開発した40型バルカーは従来のヒット船型である3万8000重量トン型バルカーの汎用性や特長を維持しつつ、積み高の大型化や燃費性能を向上させたもので、新船型を市場投入し、ハンディサイズ・バルカーの建造を再開する格好だ。
 内海造船はここ数年はフェリーやRORO船、フィーダー級のコンテナ船などを中心に建造していたが、ハンディサイズ・バルカーの標準船型として2011~17年にかけて38型貨物船を建造していた実績があり、同船型は20隻以上のヒットシリーズとなっていた。今回開発した40型バルカーは従来船型の汎用性を確保した幅広浅喫水の新船型で、エネルギー効率設計指標(EEDI)フェーズ3など各種規制にも対応している。
 内海造船は、瀬戸田工場と因島工場で2工場で新造船を建造しており、バルカーは因島工場で建造する。ここ数年は内航船や新造需要が一段落したフィーダーコンテナ船を軸に建造していたため、市場環境に合わせてバルカーで比較的期近な納期を提示できたこともあり、今年以降に40型バルカーの受注を進めたとみられる。今後はLNG燃料フェリーといった艤装期間の長い船種の建造が始まる中で、標準船型を交えて建造することで工程の安定化にも万全を期す格好のようだ。
 ハンディサイズ・バルカーは、ここ数年で急激に大型化が進んだ船型の1つ。2010年代前半から船型の大型化が急激に加速し、ロングセラーだった2万8000重量トン型に代わって38型が標準船型として定着したが、2018年以降は4万重量トン超の40〜42型バルカーが新たなハンディサイズとして市場に浸透した。日本の造船所では計9社グループにハンディサイズ・バルカーの受注・建造実績があり、最も建造工場の多い製品となっている。