25年度の業績目標値を早くも達成 内海造船、新規船開拓も着実に進捗【海事プレス-6/27】

■「海事プレスONLINE」2023年6月27日(火)に、内海造船についての記事が掲載されています。

 内海造船は26日、2025年度を最終年度とする中期経営計画の進捗状況などを明らかにした。計画の柱の1つだった新規船の開拓については、初の輸出フェリーの建造や防衛省向け受注などで着実に進行しているとした。また、業績目標値としていた最終年度の売上と利益を22年度時点で既に上回っており、今後の回復基調を維持したい考えだ。
 内海造船の経営計画は21年11月に策定したもので、収益力の回復により株価上昇を図り、上場維持基準をクリアすることを目指している。
 具体策の1つが、環境規制対応船と新分野の船舶の開発・生産を進めることで、収益力強化を図るというもの。環境船については、昨年2月に商船三井向けにLNG燃料フェリー2隻を受注したほか、国土交通省が認定する内航船省エネルギー格付け制度では同社建造船18隻が最高評価の“5つ星”を取得し、造船所別では最多実績を得るなど、省エネ技術が高い評価を受けているとした。また新分野として2022年度には初の輸出フェリーと、青森県向けの漁業実習船を引渡し、防衛省向けの輸送船2隻を受注などのじっせきをかさねている。
 業績向上の目標としていた計画値については、最終年度の2025年度の目標を売上高325億円、経常利益5億円としていたが、既に2022年度に売上高376億円、経常利益6億4000万円と上回った。
 一方、スタンダード市場の上場維持基準については、流通株式時価総額が今年3月末時点でもまだ基準の10億円を満たせていない、ただ、その後の直近3カ月の終値平均による時価総額では11億円となり基準をクリアしていることから、目標としている2027年3月末時点での達成に向けて引き続き上場維持基準を満たすための取り組みを進める方針だ。