
因島商工会議所
会頭 村上祐司
基本方針
依然として国際情勢の緊張と不安定さが続く中、米国におけるトランプ大統領の再就任に伴い、世界経済の動向や貿易政策などに不透明感が広がっています。
日本国内への影響も懸念される状況ですが、新型コロナウイルス感染症の管理体制が確立し、国内経済活動は正常化に向かうことが期待されます。ただし、エネルギー価格や物価の高騰などの影響は継続しています。
因島地域においては、造船業の好調が続き、関連産業への波及効果が見込まれます。しかしながら、深刻化する人手不足の解消が急務となっています。また、増加する欧米からのインバウンド観光客に対応するため、持続可能な観光振興策を展開する必要があります。
これらの状況を踏まえ、本年度は以下の事項に重点を置いて取り組みます。
(1)因島の長期未来図と中期行動計画の策定推進
昨年度に引き続き、「日本一住みやすい島、因島」をテーマに、長期未来図および中期行動計画の策定を地域の皆様と連携して推進します。長期未来図は令和7年度に完成する予定です。
(2)産学官連携による人材確保・育成プログラムの拡充
人材確保策として人材マッチング事業者との連携や産業界、教育機関、行政が一体となった協働体制をさらに強化し、地域産業を支える実践的な人材確保・育成プログラムを拡充します。特に因島技術センターを中心として技術継承を推進し、次世代を担う人材育成を強化します。
(3)商店街活性化と創業・特産品開発支援の強化
因島地区商店街との連携強化や、地域再創生事業を積極的に推進します。また、新規創業者や若手事業者への支援を強化するとともに、地域資源を活用した特産品開発・販売を推進します。
特に農商工連携による「地産他消」を目指し、農産品の加工から販売までの一元的な体制構築を進めます。
(4)ビーチを活用したスポーツ大会の定着と多様化
因島の自然環境を活かしたスポーツイベントを継続的かつ多様に開催します。特に、トライアスロン大会を恒例化し、西日本学生トライアスロン選手権(インカレ)の支援を継続します。
(5)生成AIを活用した地域産業のDX支援強化
生成AIの導入・活用支援を一層強化し、製造業を中心とした地域産業のDX推進と生産性向上を支援します。
(6)多彩な体験型観光ツアーの造成拡大と定着化造成
ポルノグラフィティ、村上海賊、グラベルの聖地を活用した体験型観光ツアーを充実させます。特に、本年度は大手企業と連携したマウンテンバイクコースの新設や、村上海賊城跡巡りと連携したコラボレーションツアーを展開します。また、特産品開発や城跡巡り動画の作成、史跡散策コースの整備を推進します。
(7)移住促進と創業支援の推進
移住希望者向けに空き店舗・空き家等の情報提供を積極的に行います。また、ワンストップ創業支援システムを強化し、新規創業者や若手事業者を対象とした支援を充実させることで、地域に根ざした新たなビジネス創出を促進します。
(8)組織基盤のさらなる強化とネットワーク活用
商工会議所の組織基盤強化を継続し、全国515商工会議所とのネットワークを最大限に活用します。地域企業と連携し、持続可能で活力ある経済社会の構築に積極的に貢献します。