新造船“あおい”、QRでスマホ対応 ジャンボフェリー、内海造船で進水式【海事プレス-6/1】

■「海事プレスONLINE」2022年6月1日(水)に、内海造船についての記事が掲載されています。

進水する“あおい”

 神戸/小豆島間で定期航路を手掛けるジャンボフェリーは5月28日、新造船“あおい”(5200総トン)の命名・進水式が内海造船瀬戸田工場で同日執り行われたと発表した。船内ではQRシステムを活用してスマホで対応できるようにした点などが特長。
 船名は、「光あふれる瀬戸内海の色彩をイメージして名付けた。戦時徴用によって社船の大半を失った私たちグループの戦後復興を支えた船の一つである貨客船“葵丸”への思いも込められている」とした。
 船内デザインは、島を象徴するオリーブ、醤、石、棚田の4つをデザインモチーフに取り入れ、上質で遊び心のあるリゾート空間を実現。また、7つの新技術・新素材を採用することで利便性と快適性の向上も図った。完全チケットレス化した「QRスマート乗船システム」で、改札だけでなく各エリアや個室の入退室もスマホでできるようにした。体圧を分散してシート全体で支えるリクライニング機構を持つ「ゆりかご式チルト機構」の個室を配置し、新幹線N700Sにも使用されているクッション材「ブレスエアー」を採用した。遠赤床暖システム「ヒートプラス」を導入。微細気泡で温浴効果に優れたホワイトイオン泉を使った風呂と足湯を用意。感染防止対策として高換気能力、深紫外線UV-C殺菌デバイスを持つ空調システムを設置した。超微細気泡による高い洗浄力を持つ清掃水「ウルトラファインバブル清掃水」を取り入れた。このほかストレッチャーが搬送できる大型エレベータも設置。サイクルピットも設けている。
 同船は9月竣工、10月から神戸/小豆島/高松航路に就航予定。
【“あおい”主要目】全長約131.76m、幅21.0m、深さ13.05m、計画満載喫水5.5m、2700重量トン、車両搭載能力:12mトラック84台・8mトラック3台・乗用車20台、旅客定員800人、乗組員20人、主機関MAN B&W 8S35ME-C9.7(1機1軸)、連続最大出力6610kW×167rpm、航海速力約18.6ノット、JG第二種船(限定沿海区域)、船籍神戸市