新造船のデザイン公表 ジャンボフェリー、来年9月竣工【海事プレス-11/15】

■「海事プレスONLINE」2021年11月15日(月)に、内海造船についての記事が掲載されています。

 ジャンボフェリー(本社=神戸市、山神正義社長)は12日、内海造船瀬戸田工場で新造フェリーの起工式を開催した。併せて船体デザインを発表した。新造船は神戸/小豆島/高松航路に就航している“こんぴら2”(1989年、林兼造船)との代替船となる。船体は現行の約1.4倍となり、輸送力は約3割増強する。日本初となる浅喫水・全面無柱フルフラット甲板対応型の2サイクル1機1軸推進システムや高速離岸デバイスなどのパッケージ化により、大幅な燃費向上を実現。大幅に強化された新世代の損傷時復原性基準を完全適用する。新型コロナウイルス対策では、高い換気能力と新紫外線(UV-C)殺菌デバイスを備えた空調システムを業界で初めて導入。個室や半個室タイプの客席も充実する予定だ。
 新造船は約5200総トンとなり、現行船から1500総トン増加する。旅客定員は620人、大型車積載能力は84台となる。航海速力は18.5ノット。災害時の海上支援を想定し、ストレッチャーごと搬送できる寝台用エレベーターを整備した。
 デザインのコンセプトは、「光り輝く穏やかな波間を白い船が静かに進み、その向こうには美しい島々が浮かぶ」瀬戸内海の日常の風景をイメージした。白い船体に穏やかな波をイメージした紺碧色の曲線を大きく描き、ファンネルと船首・船尾には縞模様を取り入れた。縞の本数は、航海の安全を祈願して、船首7本、ファンネル5本、船尾3本の「七五三」の吉数とした。同じ加藤汽船グループの雌雄島海運が今年3月、瀬戸の島々への思いを込めたシマシマ模様の新造船“めおん”を就航させたが、今回の新造船もシマシマ模様を取り入れた。
 来年5月に進水式を行う予定で、同時期に船名と客室コンセプトを発表する。来年7月に就航開始日を決定し、予約を開始する。9月に竣工する。2隻目は2025年竣工を予定している。
 ジャンボフェリーの大型化に備え、高松港では今年3月に朝日地区で複合一貫輸送ターミナルの整備に着工している。25年度までに水深7.5m・延長200mの耐震強化岸壁や、ふ頭用地1.4haなどを整備する方針だ。

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