■「海事プレスONLINE」2021年11月5日(金)に、内海造船についての記事が掲載されています。
ジャンボフェリー(神戸市、山上正義社長)はこのほど、内海造船に発注した新造船(S822番船)の起工式が12日に執り行われることを明らかにした。
同社は神戸/小豆島/高松の間で、フェリー2隻“こんぴら2”(1989年、林兼造船)、“りつりん2”(90年、同)を1日4往復運航している。モーダルシフトの受け皿として、関西と小豆島・高松をダイレクトに結ぶ唯一の航路としても重要な役割を果たしている。2隻とも老朽化していることを受けて代替建造を計画。新造船は90年以来、32年ぶりとなる。
新造船は“こんぴら2”の代替。総トン数は約5200総トン(“こんぴら2”約3700総トン、以下同)、旅客定員は620人(475人)、積載能力は大型車84台(64台)、速力18.5ノットは同じ。船体は1.4倍、輸送力は3割アップ、客室スペースも拡大する。
船型は、浅喫水・全面無柱フルフラット甲板対応型の2サイクル1機1軸推進システムを日本で初めて採用。高速離着岸デバイスなどのパッケージ化で、大幅な燃費向上を実現する。強化された新世代の損傷時復原性基準に適合させて安全性を向上。高い換気能力と深紫外線(UV-C)殺菌デバイスを備えた空調システムを業界で初導入する。個室や半個室タイプの客席も充実させる。また、災害時の支援活動を想定し、ストレッチャーごと搬送できる寝台用エレベーターを整備する。
船体デザインは当日発表される。22年5月に進水式を行い、船名、客室デザイン、コンセプトを発表。同9月に竣工する。第2船は25年竣工を予定。